出会いがあれば別れがあるように、命が誕生すればいつかは必ず終わりを迎えます。
そんな生命に関わる職場といえば、やはり病院。今回は筆者の知人A子さんから聞いた、病院でとある体験をしたお話です。

あなた達のおかげで、悔いなく過ごすことが出来ました。本当にありがとう!

担当看護師さんがカンファレンスでかけあってくれて、祖父が祖母の部屋に行けることになったのです!
それはリハビリの一環として祖父に理学療法士さんが付き添い、一緒に祖母の部屋に行くというものでした。
祖母もベッドサイドでのリハビリがあったので、祖母側にも理学療法士さんが1人つきます。
つまり2人の理学療法士さんが、祖父母のリハビリ時間をわざわざ調整して、2人が会えるようにしてくれたのです。

祖父と祖母のバイタルチェックをし、会わせることが可能と判断された日は、祖父が祖母の部屋まで車いすで行き、顔を出すことが出来ました。
祖母は、祖父の事はうっすら覚えているようでした。
今まで皆が声掛けしても反応がなかったのに、祖父の声には反応するようになったのです。

しばらくして祖父は退院出来ましたが、祖父が退院してからまもなく祖母は亡くなりました。
祖父は「あの時病院が協力してくれたから、自分も悔いを残す事はない」と言います。

今は感染症や色んな面を考えて、患者同士が面会するのは難しいことかもしれません。
それでも当時、患者側の気持ちを一緒に考えてくれて、行動してくれた皆様には感謝しかありません。
本当にありがとうございました。

まとめ

現在は流行りの感染症もあり、症状によってはお見舞いすらも難しい場合もあります。
また本当に様々な方が入院されている病院では、残念ながら必ずしもA子さん達のように希望が通るわけではありません。病院の方針やルールも様々なのです。
それでもやはり、患者側に寄り添ってくれる人がいると本当に嬉しいですよね。

【体験者:40代・主婦、回答時期:2020年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。