金銭感覚のズレが人間関係にも亀裂を入れてしまうといった話をたびたび耳にします。今回は、筆者の知人から聞いた、もともとは同じ感覚を持っていた人同士が、お金を手にして変わってしまった悲しいエピソードを紹介します。

駆け出しネイリスト

ネイリストとしてネイルサロンに勤めている私は、まだ駆け出しの新人です。同じサロンに同時期に入社し、偶然同い年のA子とB子とは駆け出し同士、息が合い親しくしています。

まだまだ未熟な私たちは金銭的に余裕がなかったものの、仕事終わりに安い居酒屋で何時間も盛り上がったり、プチプラコスメやファッションをおすすめしあったり、同じ目線で同じ感覚で毎日楽しく過ごしていました。

同士の独立

ネイリストになって3年ほど経ったころ、A子は自分のサロンを持ち独立することに。

努力して自分のサロンを構えたA子のことは尊敬できますし、自分のことのように嬉しくB子と私で心から祝福しました。

独立後のA子は忙しそうな日々を過ごしていたため、以前のようにひんぱんには会えませんでしたが、それでもときどき連絡を取り合ってご縁は継続していました。

A子の独立から半年ほど経ち、A子からようやく落ち着いてきたと連絡を受け、久しぶりに3人で飲みに行くことに。

いつもと違う元同僚

待ち合わせ場所に3人が集まり、私が「いつもの安居酒屋行っちゃいますか!」と提案すると、A子は「いや、ヤバいでしょ! 大人だよ、ちゃんとしたとこ行こ(笑)」と高級料理店を提案してきました。

いままでと違うA子の発言に驚きはしたのですが「今日は独立を記念して奢るし!」と言うので、今日は特別な気分だったのかな? と思い、A子の意見を採用。

A子はお店につき席に座るなり、店員さんに「一番いいシャンパン持ってきて。」と金回りのよさそうな発言をします。これも独立記念だからかな? と思い聞き流していたのですが……。

変わってしまった元同僚

食事が始まってからもA子は「ちょっと待って、まだそんな安いコスメ使ってんの?」「服もいい年なんだからプチプラはやめなよ、みっともない。」とこれまでの私たちを否定するようなことばかり連発。

この日はモヤモヤしながら帰宅しました。それでも楽しかった思い出が頭から消えず、その後何度か3人で会ったのですが、A子はお金のない人を見下す発言が止まらず、ついに私たちは距離を置くようになりました。

まとめ

以上は私の知人が出会った『お金を持って変わってしまった同僚』です。

事業に成功したことは素直に祝福したいですが、人間性が変わってしまっては残念ですね。考え方が変わることはあるでしょうが、それを人に押し付けていい理由にはなりません。とくに学生時代の友人とは収入の格差が生まれることも多々あるため、気を付けたいと感じます。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。