隣人
私の家の隣は、私たちの家よりも新しい家なのに、庭は雑草でボウボウ。
子どもの自転車やおもちゃが散乱していて、一瞬「人が住んでいるのか?」と思うような荒れっぷりでした。あまり顔を合わせないので、隣人はちょっと変わった人なのかな? と思っていました。
ある日、息子と一緒に散歩から帰ってくると、偶然に隣人と顔を合わせてしまいました。
すると隣人は急に「ねぇねぇ、今日は平日でしょ? 学校行ってないの? 不登校って大丈夫なんですか?」と嘲るように言ってきたのです。
隣人には幼稚園年長の双子がいて、「うちは教育に力を入れているので、小学校は受験させるつもりなんです。公立の小学校はイジメとか多いですからね~。」と嫌味ったらしく言ってきました。
私にだけではなく、息子に対しても暴言を吐いたことを腹立たしく感じたのです。
4月
しかし、翌年の4月。
私のママ友の子どもが地域の小学校に入学すると「Kさん(私)のお隣さんって双子ちゃんでしょ? うちの子と同じクラスなんだよ!」と言ってきました。
その後、隣人と顔を合わせたときに「あれ? 受験したんじゃないんですか?」と言うと「あ、いろいろあって……。」と面倒くさそうに家の中に入ってしまいました。
ママ友に後から話を聞いたところ、小学校の受験に失敗して公立小学校への進学を余儀なくされたとか。
同じクラスのママ友にはいろんな言い訳をしていて、みんなには「負け惜しみっぽいね。」と言われているそうです。
挨拶もせず
それから隣人は私や息子と顔を合わせても挨拶すらしなくなり、最近では逃げるように顔を合わせないようにしています。
受験に失敗して同じ小学校となり気まずいのでしょうが、無神経な発言をしたことに、自分でも気づいていると良いのですが……。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。