高齢になった親が手のひら返し
ところが年月が経って親が高齢になったとき、自分たちの将来に不安が出てきたようで、手のひらを返してきました。
親はA子に「介護は弟じゃなく、A子に頼みたい。嫁に迷惑をかけたくないし、娘のほうが気が楽」と自分勝手なことを言ってきたのです。
A子はこれまでの不満が爆発し、親にブチ切れ。「今さら都合がよすぎる! 私は絶対に介護はしないから」と拒否しました。
断固拒否の姿勢を見せたA子に、両親は「それなら、代わりに介護費用を出せ」と要求してきました。
このセリフで、A子の怒りはさらに増幅。
弟と学費を差別され、結婚費用や住宅購入の支援もなかったことを挙げ、「介護費用は、これまで援助をされてきた弟が負担すべき」と告げました。
ところが親は、「弟にはそんな余裕はない。だから結婚費用も住宅購入も負担してきたのに。A子は余裕があるから大丈夫でしょ? わがまま言わないで」と言ってきたのです。
弟の意見は?
A子は弟にも連絡しましたが、親と同じ意見を言ってきました。
「自分たちに介護は無理だよ。お金も出せないし。お姉ちゃん、お願い」と、さんざん親から援助を受けてきたくせに、厄介な介護だけ押し付けようとするのです。
A子は悩みましたが、夫から「A子は十分頑張った。もういいと思うよ」と言われ、家族に見切りをつけることに。
親と弟に「もう連絡しないで」と告げ、絶縁宣告をしたのです。
子どもは1人1人異なるため、お金のかけ方が変わるのは、ある程度は理解できます。
本当に弟の家にはお金がなく大変なのかもしれませんが、それでも、親の勝手な意向により、大きく差をつけるのは不公平ですよね。
その上、介護の負担だけ背負わされたら、理不尽すぎます。
絶縁もやむなし、と感じたエピソードです。
【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:江田愉子
団体職員を経て、ライターに転身。男性が管理職、女性多数が一般職の職場にて、女性と仕事、男女平等参画に関する様々な理想と現実に直面し、それを記事にすることを志す。以来、組織に所属する女性を中心にヒアリングを重ね、女性が生きやすい社会生活に関するコラムを執筆中。