両親が高齢になると介護問題が浮上してきます。家族で協力し合うのが理想ですが、家族関係がギクシャクしていると、大きなトラブルに発展することも。今回は、知人から聞いた介護にまつわるエピソードをご紹介します。
弟を優遇する両親
A子は弟がいる長女です。
彼女は親から、弟と金銭的に差別されて育ってきました。
大学進学のとき、A子は親から「経済的に余裕がないから、地元の国立大以外は学費を出さない」と言われましたが、弟は浪人が許され、県外の私大に進学するというわがままが許されました。
両親は「女は結婚して、男に養ってもらえるから学歴が低くてもいい。でも、男はずっと働かないといけないから大卒じゃないと」という考えの持ち主で、かける教育費に差をつけていたのです。
A子は無事に進学できたものの、自分のほうが成績が良かったこともあり、釈然としないものがありました。
結婚費用や住宅購入費用にも差をつけられました。
A子が結婚したときは援助なしだったのに、弟のときはほぼ全額を親が負担していました。
結婚後に住宅を購入した際も、A子には資金援助がなかったのに、弟には半額を援助していたのです。
親の勝手な言い分に、失望
弟と大きく差をつけられたA子は親に「不公平すぎる」と訴えました。
ところが親は「他県に嫁いだ娘は他人みたいなもの」 と、罪悪感ゼロ。
「地元で就職して、家も建てた弟は何かと顔を見せてくれるし、嫁姑で不仲になりなくたい」と、弟を優遇し続けたのです。
さらに親は「大学にちゃんと進学させてあげたでしょ。そんなことで拗ねないでよ、大人なんだから」と、A子に説教をしてきたのです。
A子は「何を言っても無駄だ」と失望し、親に期待をすることをやめました。