人間の身体は食べたものでできているとよく言われていますが、高価なものばかり食べているからといって長生きするとは限りません。今回は食べ物にこだわりのあるお姑さんに無神経発言をされた経験のある筆者の知人、Rさんから聞いたお話です。

無神経発言をしたせいで

お姑さんは毎日のように全国からお取り寄せした高級品ばかりを好んで食べ、価格の安いものには見向きもしません。

あげくの果てにはRさんに向かってこう言い放つ始末でした。
「Rさんのお母さんはいいものを食べてなかったから、早く死んじゃったんじゃない?」
Rさんのお母さんはRさんが高校生の頃に病気で亡くなっています。

確かにRさんの実家は裕福ではありませんでしたが、いつもお母さんが栄養を考えて作ってくれた、美味しい料理が食卓に並んでいました。

節約と料理が上手だったお母さんのことをそんなふうに言われ、Rさんはそっと義実家から距離を置くようにしていました。

そんなある日、お姑さんからRさんのスマホに電話がかかってきました。
「お取り寄せをした食品が悪かったみたいで、今入院してるの……病院の食事なんて食べられたもんじゃないわね。買い物を頼みたいからお見舞いに来てくれない?」

お見舞いに行ってもどうせあれが食べたい、これが食べたいと言われるだけだと思ったRさん。
「あら大変ですね。でもお義母さん、普段からいいもの食べてるから大丈夫じゃないですか? 長生きしますよ、うちの母よりずっと」
そう言って電話を切ってしまいました。

一応旦那さんには話して代わりにお見舞いに行ってもらいましたが、お姑さんの無神経発言に腹を立てた旦那さんはRさんに「もう無理してお姑さんに会わなくでいい」と言ってくれたとのことです。

自分のこだわりだけが正しいわけではありません。悪気はなかったのかもしれませんが、こだわりを人に押し付けるのは良くありませんし、亡くなった人を悪く言うのはもっての外ですね。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。