お店に行ってみると……
数か月後、Nさんの努力が実を結び、予定より早くワンピースを買えるお金が貯まりました。
「楽しみだな~」
Nさんは仕事を終えた後、欲しかったワンピースを買いにお店へ。看板商品のワンピースはバッチリ、ショーケースの中に飾られていました。
「すみません、このワンピースを試着できますか? サイズが合えば購入したいんです」
Nさんがそう声を掛けると、Nさんと同じくらいの年齢の店員さんは渋い顔で答えました。
「この商品は高価なので、お客様にはちょっと……」
「ええっ!? 」
もちろん価格は知っていたので、Nさんははしたないと思いながらもその値段ちょうどの現金をカウンターに広げて見せました。
「高価だから私には売れないってことですか?」
「た、大変申し訳ございません! あまりにお若い方だったので……」
店員さんは真っ赤になって黙り込んでしまいました。
「大変失礼いたしました、こちらのワンピースですね」
一部始終を見ていた年配の女性店員が出てきて、Nさんにワンピースの試着をさせてくれました。
サイズがぴったりだったので、Nさんは満足してお会計を済ませたそうです。
年齢や身なりだけで判断すると、恥をかいてしまうこともあります。高級ブランドだからこそ、すべてのお客様に平等に対応してほしいものですね。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。