離婚は様々な交渉事や手続きに労力を要します。そのため、離婚直後は精神的にも体力的にもどっと疲れが出てしまうことも。今回はそんな離婚後のバタバタで疲れ切っていた時に、ふとした一言で張り詰めた気持ちが緩んだ経験のある筆者の知人、Aさんのお話です。

「お母さん、大丈夫?」
座り込むAさんに声をかけてくれたのは、娘の担任の先生でした。

その先生は40代半ばの女性で、自分も離婚をして苦労した経験があると前にAさんに話してくれたことがありました。
「先生」
大丈夫? と気遣ってくれたその一言で張り詰めた気が緩み、Aさんはその場で号泣してしまいました。

「いいのよ、毎日大変だもんね」
Aさんが泣いている間、先生はずっと背中をさすってくれていて、Aさんは気持ちが少しラクになったといいます。

「ママー、大丈夫? どこか痛いの?」
娘が心配そうに声をかけて、やっとAさんの涙が止まりました。

辛い時に誰かの一言でラクになった経験は誰にでもありますよね。自分も同じ経験をしたからこそ、きっと先生にもAさんの気持ちがわかったのでしょう。

Aさんはこの時、「誰かに弱音を吐いて、頼ってもいいんだ」と心が救われた気がしたそうです。辛い時こそ、一人で抱え込まず誰かの一言に頼る勇気を持つことが、次の一歩を踏み出す力になるのでしょう。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。