離婚のバタバタで・・・
Aさんは当時、旦那さんの浮気が原因で離婚したばかり。
離婚するまで慰謝料や養育費の金額交渉など大変なことも多かったのですが、娘と2人で暮らすためにAさんは必死で闘いました。
そして無事に離婚できたと思ったら、浮気をされた心の傷が癒える間もなく、目まぐるしい生活が始まったのです。
保育園に通う娘を抱えて引っ越しをしたり、生活を安定させるために仕事を掛け持ちしたりして、心も身体もボロボロの状態。
毎日保育園に娘を迎えに行くのはいつも一番最後で、Aさんはいつも疲れ切った顔を隠せないまま先生に挨拶をしていました。
保育園の先生に・・・
そんなある日、いつものように保育園に娘を迎えに行ったAさん。
「また最後ですみません」
もっと早く迎えに来てあげたいのに、今日も職場で残業を頼まれ、断ることができませんでした。
「あ……もうダメ」
疲れ切ったAさんは娘が支度をして出てくるのを待つ間に、保育園の玄関で座り込んでしまいました。
「お母さん、大丈夫?」
座り込むAさんに声をかけてくれたのは、娘の担任の先生でした。
その先生は40代半ばの女性で、自分も離婚をして苦労した経験があると前にAさんに話してくれたことがありました。
「先生」
大丈夫? と気遣ってくれたその一言で張り詰めた気が緩み、Aさんはその場で号泣してしまいました。
「いいのよ、毎日大変だもんね」
Aさんが泣いている間、先生はずっと背中をさすってくれていて、Aさんは気持ちが少しラクになったといいます。
「ママー、大丈夫? どこか痛いの?」
娘が心配そうに声をかけて、やっとAさんの涙が止まりました。
辛い時に誰かの一言でラクになった経験は誰にでもありますよね。自分も同じ経験をしたからこそ、きっと先生にもAさんの気持ちがわかったのでしょう。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。