いまや身近な存在である通販サイトや配達サービス。外に出なくても家に荷物が届く利便性に、ひんぱんに利用している方も多いのではないでしょうか? 今回はそんな荷物を配達してくれる『配達員』をしている友人から、夏の配達にまつわるエピソードを聞きました。

多忙な配達員の業務

私は数年前から某企業の配達員として勤務しています。配達員の仕事は、出社時にセンターに荷物を受け取りに行き、日時指定の有無を確認して配達に回るというもの。

コロナ禍になってからは、世間でおうち時間の需要が高まったこともあり、配達員の業務はどんどん忙しくなっています。

これからお話するのは、多忙を極めていた7月のある日の出来事です。

「15時までに持ってきて!」

いつも通り、大量の荷物を積み、せわしなく配達業務をおこなっていると、社用携帯に1本の着信がありました。

電話に出てみると、若そうな女性の顧客からで「○○マンションで、今日荷物の配達をお願いしている者なんですが、15時までに持ってきてください。」といった内容。

時計を確認すると、現在の時刻は14時45分。

時間指定なしで配達予定だった、電話口の女性の荷物は通常通りに配達をすると、19時台になりそうな見込みです。

私は電話口の女性に、15時までの配達は難しい旨を伝えました。しかし、相手の女性は「う~ん……どうしよう。」となにやら思い詰めている様子。もう少し詳しく話を聞いてみることにしました。