ワンオペ育児に奮闘
これは娘たちがまだ小さかった頃の話です。
私は長女の出産のタイミングで仕事をやめて専業主婦になり、夫の会社の近くに越してきました。見知らぬ土地で誰も知り合いがいないなか、当時2歳と1歳の娘の子育てに奮闘していました。この年齢の年子はまるで双子のようで、片時も目が離せず毎日があっという間に過ぎていきました。
さらに、夫婦とも実家から遠い場所に暮らしていたので頼れる人もおらず、頼みの綱の夫は月の半分は出張で不在、いたとしても帰宅は深夜……。誰にも頼れず常にワンオペ状態で子育てをしていました。
誰にも頼れず孤独な日々
児童館や公園で会うママたちは、ほとんどみんな実家や義実家や夫の助けがあったため、羨ましくて仕方がありませんでした。仲良しのママ友ができれば助け合いができるかもと思いましたが、もともと人見知りなこともあり積極的に話しかけることもできず、ママ友を作ろうという余裕もありませんでした。
近くにある保育園で行っている預かり保育は事前申請が必要で、かつそれなりの用事がないと無理。当時はリフレッシュ目的での預かりは受け付けていなかったので、気軽に申請することもできませんでした。
子育て鬱になりそうだった
子どもたちといるのは幸せだけど、1人になれる時間はなく、精神的にどんどん追い込まれていきました。夫が不在の時は子ども以外の人と話さずに1日を終えることも当たり前で、自分でも病みそうだなと危険を感じていました。
救世主現る!
そんなとき、近所の年配の女性に声を掛けられ、病院が経営している小さな託児所があると教わりました。その女性とは何度か挨拶を交わしたことがある程度でしたが、私が小さな子どもを2人連れて毎日公園や買い物に出掛ける姿を見ていたそうです。どんどん表情が暗くなっていく私の姿を見て心配してくれていたそうで、おせっかいかもしれないけど様子がおかしいので声を掛けさせてもらったのよと話してくれました。
困ったときは周りを頼ってくれていいんだと言われ、挨拶程度しか接点のない私のことを気にかけてくれていたことがとても嬉しくて涙が出ました。
その後
紹介してくれた託児所で親身になってくれる先生にも出会え、マイナスに支配されそうだった気持ちも少し軽くなりました。近所の女性のおかげで病みそうだった心も救われ、子どもたちが大きくなった今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
【体験者:40代・女性パート、回答時期:2024年1月】
本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kato Rira
シナリオライターとして活躍するも、出産と育児を機に、フリーライターに転身。バリキャリから、家庭と仕事の両立への転換を経験し、その思いをコラムに執筆。現在はママ、PTA、職場と家庭のバランスなどを主なテーマにコラムを執筆中。