初めての出産を終えて実際に赤ちゃんを目の前にすると、不安と戸惑いでいっぱいになってしまう人が多いと思います。そんな時に、少しでもポジティブになれる考え方を知っていると、気持ちに余裕ができることもあるのです。今回は、筆者が実際に前向き育児をすることができたエピソードをご紹介します。

初めての出産の支えになった助産師Aさん

これは、私が初めて出産をした時のことです。当時は、やっと我が子と対面できたことの嬉しさでいっぱいでしたが、産後数時間後からこれから待ち受けている育児に対する不安の方がどんどん上回っていきました。しかも、ちょうど同じ時期に出産で入院していた人が経産婦さんばかりで、病院の授乳室で先輩ママたちの余裕のある動きを目にすることが度々ありました。授乳も上手くできない自分に涙することもあり、自信を持つことも難しくなっていました。
そんな入院中、ずっと親身に寄り添ってくれた助産師Aさんがいました。その助産師Aさんは、不安で泣き出してしまった私に、育児に対してポジティブになれる考え方を教えてくれました。

泣いているのは生きてる証拠

たくさん泣いている赤ちゃんを目の当たりにすると、どうしたらいいだろうとオロオロしてしまうものです。でも、まずは一呼吸おいて、【泣いているってことは、生きているってことだ!】と考えるところからスタートすることが大事だと、Aさんは言いました。
「泣き声ひとつあげない赤ちゃんがいたら、逆に心配しても良いくらいよ!」と言ってくれたので、泣いている我が子を少し冷静になって見ることができました。

泣き続ける時は、何かが成長している時かも

オムツも替えた、授乳もしっかりやった、お昼寝もたくさんした、それでも赤ちゃんが泣き続ける時があります。その泣き続ける理由の内の一つに、【赤ちゃんの体の中で大きな変化が起きていて、そのせいで体がムズムズするから泣き続けている】ということもあるそうです。「そう考えると、『今たくさん成長してるのか~そっかそっか~気持ち悪いよね~大変だよね~頑張れ〜!』って気持ちになれるよ!」とAさんは言いました。
実際に退院した後、子育てをしていく中で夜泣きがひどい時期がありました。数日後に落ち着いたかなと思ったら、赤ちゃんに歯が生え始めていたことに気づきました。「これが気になっていたのか!」と腑に落ちたことを、今でも覚えています。

使えるものは何でも使ってよし!

初めての出産だったので完全母乳で育てたいと考えていたのですが、なかなか思うように授乳ができずにいて、かなり落胆していました。そんな時にAさんから、「母乳がダメなら哺乳瓶、ミルクも使う、なんなら液体ミルクも使う、離乳食が始まれば市販レトルトに頼ればいいのよ。世の中に溢れている便利グッズは使うためにあるのだから、思う存分使うこと!」と言われ、育児初心者の私は唖然としてしまいました。
病院や助産師さんは「完全母乳」や「手作り」を推し進めてくるものだと思っていた、と話すと、「そういう病院もあるみたいだけど、私はママも赤ちゃんもたくさんの経験をしてほしいなって思うの。例えば初めて訪れる場所や災害の時の、イレギュラーな場面に遭遇した時に適応できる力にもなるし、ママとしての自信にも繋がるよ。」とAさんは教えてくれました。
便利なものに頼ることは、楽をするためではなく、自分や子どものためと納得ができたこともとても大きかったです。

入院中、助産師Aさんにはたくさんのアドバイスをもらうことができました。退院した後、私の初めての育児は、当初の私が思っていた不安をほとんど感じることなく、余裕と自信を持ちながら育児ができていたと、改めて実感しています。
もちろん、思い通りにいかないことがほとんどなのが育児ですが、自分らしいポジティブマインドを一つでも多く持っていると、お守りにもなるのでオススメです!

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:南さおり
読者モデルを経て、ライターに転身。仕事柄、美容や装いにこだわる女性たちの心理やリアルに興味を持ち、取材。結婚・出産を機に現在は、育児をしながら、女性としての美や健康も両立する女性を主な取材対象に、いつまでもきれいで美しい人生を送るための秘訣をリサーチし発信する女性向けコラムニスト。女性の人間関係に注目した記事も人気。