長い人生、本当に何が起こるかわかりません。健康だけが取り柄だった筆者がある日ガンであることがわかり、生活は一変。思うように体も動かない中、一番身近で見ているはずの夫から信じられない一言が……。驚きの体験談をご紹介しましょう。

収入

「お前が今の仕事で月50万くらい稼いで来れば買えるんじゃない? もっと仕事しろよ」

夫は当たり前のようにこう言いました。
確かに計算上はそうかもしれません。
でも。
自分でさえ月50万円もの収入はないのに、こんな状態の私に何を期待しているんでしょう?

思い返せば、私の病気がわかり、検査・入院・手術と怒涛のスケジュールが決まったときも、「大丈夫じゃね?」と意味の分からないことを言っていました。
感染症の拡大時だったため、入院中の面会は禁止されていましたが、連絡をくれていたのは子ども達だけでした。
……何かを期待することが間違いだったんだなぁと思い知らされたものの、難しかったパズルが完成するときのように、すべての事柄に納得がいったのも事実でした。

覚悟

悪気はなかったのかもしれませんが、薬の副作用や手術の後遺症で苦しんでいる様子を間近で見ているのに、「もっと稼いで来い」と言った夫の神経は本当にわかりません。

でも、今回のことで私は自立する覚悟が決まったような気がしています。
それにしても、男を見る目がないなぁとつくづく実感している今日この頃です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。