つわりの重さは人によって違いますが、なかには何も食べられず、点滴を受けるほど重い場合もあります。今回は、そんな重いつわりに苦しんでいる時に、つわりの辛さを知らない人に無神経な言葉をかけられた経験のある筆者の知人、Aさんのお話です。

無神経な義姉にピシャリ!

「Aさん! 私も来たわよ」
お姑さんと一緒に、独身の義姉も一緒に来てくれました。

義姉は悪い人ではないのですが、無神経な発言が多く、Aさんは少し苦手に感じていました。
「わざわざすみません」
「そのままでいいわ、何か飲めそう? スポーツドリンク持ってきたわよ」
ベッドから出ようとするAさんに、お姑さんが優しく声をかけました。

「ねえ、つわりって何食べても吐いちゃうの?」
義姉が呑気な調子で話しかけてきました。
「はい、気持ち悪くて……」
真っ青な顔のAさんを見て、義妹は大きなため息をつきました。
「吐いてばかりいないでちゃんと栄養とりなさいよ! 赤ちゃんが育たないわよ」
「えっ」
Aさんは好きで吐いている訳ではないので、義姉の無神経発言にうんざり。すると隣にいたお姑さんが、義姉の肩をバシッと叩きました。

「あのねえ、あんたはつわりの辛さを知らないのよ! 私があんたを妊娠してた時は吐いて吐いて本当に大変だったんだから」
「ご、ごめんなさい」
義姉は慌ててAさんに謝罪しました。

その後つわりは無事におさまり、Aさんはお姑さんのサポートを受けて元気な赤ちゃんを出産したそうです。

つわりの重さは人それぞれですし、一番辛い時期に無神経な発言をされると余計に負担になってしまいます。義姉にも悪気はなかったのだと思いますが、いたわる気持ちを忘れないようにしたいですね。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。