社会人になると、様々な人と食事をする機会が増えるもの。そこで気になるのが「食事のマナー」ですよね。今回は「食事のマナー」で失敗してしまった経験のある、筆者の知人Aさんから聞いたお話をご紹介します。

やめた方がいいよ

「ねぇ、Aさん」

突然、B先輩がAさんに小声で話しかけました。

「ど、どうしましたか?」

Aさんは胸のドキドキが止まりません。

「ちょっと言いにくいんだけど、その手やめた方がいいよ」

「えっ……?」

B先輩はそう言うと、Aさんの左手を指差しました。その時、箸でおかずを口に運んでいたAさん。左手をお皿のように添える、いわゆる「手皿」をしていたのです。

「手は食べ物に添えるものじゃない。社会人なんだから、今後のためにも知っておいた方がいいよ」

B先輩の言葉に、Aさんの顔は真っ赤になってしまいました。

上品な所作だと勘違いしがち

一見、上品な所作に見える「手皿」ですが、実はマナー違反とされています。

その理由は、もし食べ物をこぼしてしまったら手が汚れてしまい、周りの人に不快感を与えてしまうからです。また、日本食では一般的に、箸を持つのと逆の手で皿を持って食べます。大皿などで取り分ける場合は、小皿を使うのが常識。手を皿の代わりにするのはNGなのです。

何気にしていた所作がマナー違反だったと知り、ショックを受けたAさん。そして「B先輩が自分に気があるのでは?」と勘違いしたことを、とても恥ずかしく思いました。

社会人として正しいマナーを身に着けるのは大切なことです。もし、他人からマナー違反を指摘されたら「人として成長できる機会」だと前向きに捉え、同じミスを繰り返さないことが大切だと思います。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。