モラハラ男には『外面だけは良い』という特徴があります。家の中で妻や子ども達には抑圧的な態度を取っているのに、外では良き夫・良き父を演じるので、なかなか本性をわかってもらえない苦しみがあるようです。これは筆者の友人・Hの体験したエピソードです。

学校の作文

私が事の経緯を聞くと、息子が学校で『ぼくの家族』というテーマで作文を書いたというのです。

「お父さんがお母さんにいつも怒鳴っています」
「お母さんやぼくにバカとか頭がおかしいとかひどい言葉を言っています」
と発表したと言い出しました。

息子の学校の先生は、作文の発表が終わると「相手の心をチクチク刺すような言葉は絶対に言っちゃダメなんだよ」と息子に言ったとか。
私は息子が夫の様子をしっかりと観察していたことに驚きましたが、夫は更に驚いたようで、真っ赤な顔をして黙りこくってしまいました。

外面は良いパパ

夫は外面だけはすこぶる良く、学校では良いパパを演じていました。
クラス全員の前で発表した息子の作文は、子ども達によって保護者にも伝わっているはず。
夫の仮面は見事に剥がれ、家庭内での傍若無人っぷりが明らかになってしまったのです。

それから夫は息子が小学校を卒業するまで、一度も学校行事には行けなくなりました。
最後の卒業式には出席したものの、他の保護者の態度が今までとはガラッと変わっていて、いたたまれなかったのか、すぐに家に帰ってしまいました。

息子のおかげで夫のモラハラは収まりましたが、同じ地域に住んでいる以上、これからも夫は色眼鏡で見られてしまうんだろうなぁと、少し哀れに思っています。

【体験者:40代女性・パート、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K
国文学科を卒業し、教員免許を取得後はOLをしていたが、自営業の父親の病気をきっかけにトラック運転手に転職。仕事柄多くの「ちょっと訳あり」な人の人生談に触れる。その後、結婚・出産・離婚。介護士として働く。さらにシングルマザーとして子供を養うために、ファーストフード店・ショットバー・弁当屋・レストラン・塾講師・コールセンターなど、さまざまなパート・アルバイトの経験あり。多彩な人生経験から、あらゆる土地、職場で経験したビックリ&おもしろエピソードが多くあり、これまでの友人や知人、さらにその知り合いなどの声を集め、コラムにする専業ライターに至る。