以前電車に乗ったとき、私が実際に出くわした話です。2人の子どもを連れたママが、下の子に気を取られているうちに上の子が1人で電車に乗り込んでしまい離れ離れに!? 一同騒然としましたが、その後の周囲の対応に心があたたまった出来事でした。
近くに乗っていて、事の顛末を見ていた乗客のほとんどが私と同じ行動に出ようとして、「あっ……」と譲り合う形になったのです。
その中の1人の若い女性がちょうど自分は次の駅で降りるので、と男の子と一緒に降りてママを待ってくれることになりました。
不安そうにしていた男の子も、次の駅でママに会えるとわかると少しホッとしたようで、次の駅に着くと笑顔で周囲の人に手を振って降りて行きました。
無事に次の電車に乗ってきたママと出会えたと思います。
世の中怖い事件も多く、他人同士あまりかかわりを持つこともなくなり、希薄な世の中ではありますが、こういう困ったときの助け合いの精神は大切ですね。
高校生や大学生らしき学生、スーツ姿の会社員、年配の方まで、あのときたまたま出くわした人たちが、「どうぞ、どうぞ」と微笑みながら、男の子と一緒に駅で降りることを譲り合っていた光景を思い出すと、今でも心があたたかくなります。
やさしくて平和な空気が流れていて、まだまだ世の中捨てたもんじゃないなと嬉しくなった出来事でした。
【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2023年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kumi.M
保育士歴25年。ママたちの修羅場、バトルを多数目撃し、その経験を元にコラムニスト活動をスタート。アラフィフ主婦となった現在は、ママ友・育児・嫁姑問題などを、幅広い人脈を駆使してインタビューを行い、執筆する。