先日久しぶりに親戚で集まる機会があり、幼少期の思い出話になりました。その時いとこから聞いた話が印象的だったのでご紹介します。子どもの何気ない一言が、親や大人の心に響くことってありますよね。

父親は塗装職人

私(A子)の両親は共働きで、早くから保育園に通っていました。父親は塗装の仕事をしていたのでいつも作業着を着ていて、手や服には仕事の際に付いたペンキや油汚れが付いていました。決してきれいとは言えませんが、私はそんなお父さんの手が大好きでした。

保育園の運動会で

保育園の運動会があり、自分のお父さんを見つけるというクイズ式の競技に出場することになりました。大きな段ボールの衝立に何か所か穴が空いていて、反対側からお父さん達が手だけを出した状態で、子どもが自分の父親の手を当てるという内容でした。手だけで判断するのは難しいですが、悩む子どもたちと見守る大人たちで競技は盛り上がりました。

いよいよ自分の番

私の番になり、衝立から4人の手が差し出されました。「パパの指どーれだ?」父親の爪はペンキが染みついていたのですぐにわかり、一番に父親の手を選び正解しました。友達はみんな悩んでいて「A子のパパそんな手だからすぐにわかるじゃん! ずるい!」と文句を言われてしまいました。父親は「こんな手汚いからすぐわかっちゃうよな、ごめんごめん」と笑っていました。