しかし、一緒になって徐々に「これ、モラハラかも?」なんて気付いてしまうパターンも多いようです。今回は筆者の知人A子さんから、モラハラ夫のお話を聞きました。
夫のモラハラ発言。気が付くと外でも罵倒されて
夫と2人暮らしのA子さんのお話です。
結婚して一緒に住むようになってから、少しずつ夫に違和感を持つようになりました。
「誰の稼ぎでお前は生きていけると思っているんだ」
「主婦のくせに、冷凍食品なんて使うんじゃねぇよ!!」
命令口調で自己中心的な発言の多くは、A子さんを支配していくかのようでした。
初めは言い返して喧嘩になっていたものの、気が付くと夫の発言に怯える毎日になっていたのです。
初めは家の中だけだったのに、気が付くと所かまわず夫のモラハラ発言は続きました。
買い物中、兄に遭遇。一変して笑顔になる夫だったが?
ある日、夫婦で買い物に出かけた時の事でした。
とにかく夫は、A子さんのやることなす事が気に食わないのでしょう。
あれこれ文句を言い続ける夫の声は大きく響き、周りの視線も痛いほどでした。
俯くA子さんでしたが、突然後ろから声をかけられたのです。
「 久しぶりじゃん! 元気にしてた?」
それは、A子さんの兄でした。
偶然同じ場所に買い物に来ていたようで、A子さん夫婦を見つけて声をかけてくれたのです。
外面だけはいい夫は、爽やかな笑顔で兄と話し始めました。
先程までA子さんを睨みつけ罵倒していた人と、同一人物とは思えないほどの変わりっぷり。
夫は、自分は上手く取り繕っていると思っていたことでしょう。
そんな夫に対し、兄の反応は予想外だったようで……。
兄、まさかの大激怒だった! 助けてくれてありがとう
「あのさ、いつもA子にあんな喋り方してんの?」
実は夫がA子さんを怒鳴りつけている場面を、兄はしっかり目撃していたのです。
明らかに異様な雰囲気で、罵倒されている妹を見て怒りが湧いたのでしょう。
「まぁ夫婦には色々あるだろうけど。A子のこと、大事にしてるんだよね?」
いつも穏やかで優しいのですが、実は怒るとかなり怖い兄。
夫に向かって笑いかけていましたが、その笑顔は完全に「怒っている」顔でした。
夫はヤバいと思ったのか、小さい声で言い訳をして、そそくさと先に車に戻ってしまいました。
「何かあれば俺に言えよ」
兄はいつもの優しい笑顔で、A子さんを助けてくれたのです。
夫のモラハラは未だにありますが、あの日の兄がよほど怖かったのか、外出時に怒鳴られるようなことはなくなりました。
夫に不満は募りますが、いざとなれば助けてくれる人がいる。
心強過ぎる兄がいてくれて、本当に良かったです。
まとめ
モラハラ発言をする人は自己肯定感が低く、「自分の立場を認められたい」という、いわば承認欲求のような激しい感情が渦巻いています。
悪気はないのかもしれませんが、それでも人に言っていいことと、悪い事の区別はしないといけませんよね。
ついつい被害者は自分が悪いと思ってしまいがちですが、「加害者が圧倒的に悪い」ということを、忘れないようにしてほしいです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2020年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。