いつも不満だらけの先輩
職場に、いつも何かしら不満を言っているベテランAさんがいました。
「こんなやり方古すぎる」と言ったかと思えば、システムが新しくなると、「今までのやり方を変えられて、やりにくい!」
といった具合で、とにかく常に不満を嘆いていました。
ある日、突然
ある日Aさんが「話がある」と、同じ課の女性メンバーを集めました。何の話か見当がつかなかったものの、なんだか嫌な予感。すると
「このなかに仕事をサボっている人たちがいます!」
Aさんが言い放った言葉に私たちはびっくり。急に何を言い出すんだ、と思っていると
Aさん「これを見て! 私が調べた証拠です!」
まさかの発言に絶句
そう言ってAさんがみんなに配ったものはなんと……。
全員の数週間分の『トイレ(離席)回数』と『電話に出た回数』を一覧にしたものでした。
数週間にわたり、数人分の電話と離席の回数を仕事中にずっと数えていたというのです。そして
「〇〇さんは、お手洗いに行き過ぎです。本当にお手洗いなんですか?」
「〇〇さんは電話の回数が少ないのはなぜですか?」などと、怒りながら言いはじめたAさん。
正直、トイレの回数を数えられていただけでもドン引きの私たち。Aさんの言葉があまり頭に入りませんでした。
自分で不満の種を探している
あまりにもサボっている人が多い職場ならまだ理解できたかもしれません。ですが、私から見てサボっていると感じる人はいませんでした。
もちろん私の知らないこともあるとは思います。Aさんから見たら仕事をサボっているように見えたのかもしれませんが、どんな理由があったとしても、人のトイレの回数まで数えるなんて異常だと感じました。
そして離席や電話の回数をわざわざ数えて怒っているAさんは、まるで『自分で不満の種を探しているようだな』と感じてしまった出来事でした。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2022年1月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:橘るい
IT企業での激務を経験する中、落ち込むことがあった日でも、ほっこりしたり笑える良い話に勇気づけられ、自らも読者を元気づけたいと思いライター業をスタート。キャリアを生かして、友人知人に取材。記事にするコラムライターとしてltnで活動中。