同居している義実家で
Yさんは当時旦那さんの実家で、義父と義母と同居中でした。
最初の頃は、幸い義両親との関係は良好で、共働きのYさん夫婦と年金暮らしの義両親はお互い干渉しすぎることなく、協力すべきところは協力して、ほどよい距離感を保てていけると信じていました。
けれど、次第にYさんを悩ませるようになったのが、旦那さんの妹、つまり義妹の存在でした。
義妹の非常識な振る舞いのせいで、Yさんと義母の良好な関係が崩れていったのです。
「ただいまー!」
定職についておらず、アルバイトを始めても仕事の続かない義妹は、度々義実家に顔を出します。
それだけなら「自分の実家だし」と思っていたYさんでしたが、どうしても気になる点があったのです。
「うわ、カニ缶あるじゃん。これもらっていくね! あと他になんかない?」
義妹は義実家に来るなり冷蔵庫や食品を置いてある棚をチェックして、色々なものを持ち出してしまうのです。
「あ、それは夕飯の食材……」
Yさんがそう言うと、義母が「また買って来ればいいじゃない、うちは困ってないんだから」と、甘い顔をしてなんでも義妹に持ち帰らせます。
そのうえ自分たちの年金からお小遣いも渡しているため、義両親の日々の生活費は全てYさん夫婦が負担する羽目になっていました。
壊された貯金箱
ある休日、外出から帰って来たYさんは、リビングの棚に置いてあった貯金箱がなくなっているのに気づきました。
その貯金箱はYさん夫婦が「いっぱいになったらみんなで旅行に行こう」と決めて2人で500円玉貯金をしていた金属製の貯金箱で、缶切りがないと開けられないタイプのものです。
「あれ、500円玉貯金の貯金箱知らない?」
Yさんが旦那さんに尋ねると、旦那さんも知らないと言います。
「今日はお義父さんもお義母さんも出かけてるし、私たちが知らないとしたら、誰が移動させたんだろ?」
「そういや今日Yが買い物に行ってる間に〇〇(義妹が)が来て、また台所でゴソゴソやってたけど……」
その言葉でYさんはピンときて、キッチンへ。
「あった」
空き缶を入れているゴミ袋の中に、缶切りで蓋を開けられた空っぽの貯金箱がありました。
「ひどい! みんなのために貯めてたのに」
さすがに許すことができず、Yさんは義妹に電話をかけました。しかし何度かけても繋がりません。