霊感
私は小さい頃から俗に言う『霊感の強い子』でした。
私には見えている物や聞こえている音が、周囲の人にはわからないんだと気付いたのは小学生の頃。
中学生、高校生と大きくなるにつれて、怖い経験を何度もしたので、できる限り霊に関する情報や場所には触れないようにしていました。
そんな私が大学生のときにお付き合いした彼氏は、大の心霊スポット好き。
自分の愛車で心霊スポット巡りをするのが大好きな人でした。
私はなかなか自分の事を言い出せなかったので、何度も「行きたくない」「他のところへ行こう」と提案しました。
しかし、彼は「一緒に行きたい所があるんだ!」と一歩も引かず、心霊スポットで有名なトンネルへ行くことを決行してしまったのです。
心霊トンネル
彼の連れて行ってくれたトンネルは、街のはずれにありました。
トンネルの中は車が入れず、歩いていかなければいけなかったのですが、私は車から下りた時点で嫌な気配を感じ、「どうしても行きたくない」と抵抗したのです。
しかし彼氏は「大丈夫! 大丈夫!」と私の手を取って、無理やりトンネルの中へ。
この時点で私には無数の光が見え、おぞましい声が聞こえていたのですが、彼は一切怖がる様子もなく、トンネルを往復し「大丈夫だったね。」と帰ろうとしました。
すると、そこからとんでもないトラブルの連続が待っていたのです!
怪奇現象
駐車場まで戻って車に乗ると、なぜかエンジンがかからなくなってしまいました。
仕方なくロードサービスへ連絡し、しばらく待つことに。
車の中にいると、窓にコンコンと何かが当たるような音がしました。
そのうち、真っ暗だったはずの駐車場に不思議な動きをする光が現れたのです。
最初は私だけが感じていると思ったのですが、どうやら彼にも見えていたようで、彼はパニックに! ロードサービスの到着を待たずに、車から飛び出して逃げてしまいました。
私は仕方なくロードサービスを待っていたのですが、ロードサービスの人が来た時点ではエンジンも普通にかかり、何のトラブルもないと言われました。
私は逃げてしまった彼を探すことにしました。
すると、トンネルに通じる道の脇のところにうずくまっている彼を発見!
状況を説明すると、半べそをかきながら車に乗り、私が運転をして何とか家までたどり着くことができたのです。