家族や友人から相談を持ち掛けられたとき、つい「アドバイスしてあげよう」「教えてあげよう」と必死に話したことはありませんか? 私は人からの相談にたいして、偉そうにも『教えてあげる』と考えることが多々ありました。そんな私の考えを変えてくれた祖母とのエピソードを紹介します。

祖母に相談

友人から悩みを相談された翌日、私は自分の祖母に相談することにしました。というのも、祖母は昔ある習い事の先生をしていて、生徒から大人気だったんです。

祖母が退職してから20年以上が経ちますが、現在でもひんぱんに元生徒が祖母のもとに相談を持ち掛けてくるほど相談を受けやすい人です。これまでに祖母が相談に乗った人数は軽く100人は超えているでしょう。

そんな祖母ならいいアドバイスをくれるだろうと、私は「こんな相談を受けたんだけど、どうやったら楽になる方法を教えてあげられると思う?」と尋ねました。

「教えてあげようなんて思うな。」

祖母は「教えてあげようなんて傲慢になってはいけない。話を聞いて〇〇(私の名前)が心配に感じたところを、『どうしてそう思ったの?』って聞いてあげるだけでいいんだよ。」と話してくれました。

私はつい自分の価値観で、正解はないにもかかわらず「正しい考え方」を伝授しようとしたり、「正しい行動」を諭そうとしたりしてしまっていたのです。

祖母の話では、自分の考えを押し付ける方法は相談に乗っているとは言えず「どうしてそう思ったの?」と相手に聞くことで本人が「自分はどんな考えを持っているんだろう?」「どうしてこうしたいと感じるんだろう?」と考えるきっかけになるということ。

深く自分と向き合い考えることで、結果的に自分で問題解決に向かって進めると言われ、非常に納得しました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A