つい自分の価値観で「こうであるべき」と人に意見を押し付けてしまったという失敗談は、誰にでもあるのではないでしょうか? 特に人間関係の話題については、自分の経験値をもとに話してしまいがち。今回は、私が知らず知らずのうちに価値観を押し付ける思考をしていたことに気づかせてくれた同僚とのエピソードをご紹介します。
「人との関係値に決まりはないんだよ」
そんなAさんの発言を聞いた同僚のBさんが、ある言葉を返しました。この言葉はいまでも私が大切にしている言葉です。
「人それぞれ相手との関係値は違う。母親だから兄弟だから友達だからなんて関係ない。自分にとってはそうでなくても、ほかの人にとっては大切なものがある」
正直に言うと私はAさんの言葉を聞いたとき(なんて冷たい人なんだ。母親を大切にできないなんてきっとろくでもない人だ)と思っていました。
しかしAさんがそういった言葉を放ったのには、Aさんの生きてきた人生や母親との関係値が背景にあるはず。私と母親の関係性をAさんが理解できないのと同じように、私もAさんと母親の関係を理解できるはずがありません。
私は知らず知らずのうちに、自分の常識や価値観でAさんを否定していたと気がつきました。
まとめ
Bさんの言葉は、ほかの場面でも考えさせられることです。
たとえばペットが亡くなってもケロッとしている人もいれば、本人が心の病になってしまうほどのペットロスになる人もいます。
今、私がそういった場面で「ペットが可哀そうだ」とか「そこまで悲しむこと?」とか、自分の価値観で相手を否定してしまわずにいられるのは、Bさんの言葉があったおかげです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A