あなたは身内の介護をした経験がありますか? 今回は介護経験のなかった私がとある出来事で、介護の大変さや重要なことに気付かされた体験を紹介します。要介護の人にたいして、ただただ気持ちを優先させてあげると、ときにトラブルを招きかねません。

背もたれのない椅子がダメな理由

私が祖母の気持ちを優先しようとフォローを始めると叔母は「じゃあいつもと違う椅子で背もたれがなくて転げて骨折でもしたらどうするの? いまは夜で病院も開いてないし、そのあとだって生活しにくくて苦労するのはおばあちゃん本人なんだよ。無責任に庇うことが正義じゃない。」と、いつもと同じ椅子に座すべき理由を話してくれました。

私は後先を考えず、ただ祖母の気持ちを優先したい、怒られて可哀そう、と勝手な発言をしたことを反省しました。

介護が必要な人と接する際には、何気ない行動ひとつでも、その前後や背景を考えて、危険察知していくことが重要なんだと気付かされた出来事です。良かれと思ってのことでしたが、ただ優しくするだけでは、ときに大けがに発展してしまう可能性があると勉強になりました。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A