幼稚園の行事のビデオは、かわいい思い出を残してくれる大事なものですよね。ですが、もしそのビデオに、我が子が映っていなかったら何の意味もありません。今回はそんな幼稚園のビデオに関するトラブルに遭遇した、筆者の知人Oさんから聞いたお話です。

うちの子が映ってない!

「さ、おゆうぎ会のビデオ見ましょ!」
ある休日、Oさんは旦那さんと娘と一緒におゆうぎ会のビデオを観ることに。

「うーん……」
楽しいおゆうぎ会の様子は映っているのですが、旦那さんとOさんは首を傾げました。

「なんかうちの子、全然映ってなくない?」
「だよね」
腑に落ちずにもう一度よく観てみると、同じ子たちばかり何度も映っていて、Oさんの娘の他にもあまり映っていない子どもが何人もいるようです。

映っているのは娘の通っている幼稚園の中で、「可愛い」と評判の高い子どもたちばかりでした。

「あのー、うちの子全然映ってないんですけど」
翌日OさんはDVDを持って幼稚園に行き、ビデオを撮ったという新しい保育士の先生に子どもが映っていなかったと抗議をしました。

するとOさんの他にも、あまり映っていなかった子どもたちの保護者達もやってきました。
「うちの子も全然映ってない!」
「どういうことなんですか?」

保護者たちの抗議に、新しい保育士の先生はケロッとした顔をして答えました。
「えー、可愛い子を映した方が映えるかと思って」
「はあ? うちの子がかわいくないから映さなかったってこと!?」
「ひどい!」

その後保護者達は園長先生に抗議をし、DVDのお金は返金。その新しい保育士の先生はビデオ担当から外されたそうです。

どの子も平等に映さないと、何のためのビデオかわかりませんよね。悪気はなかったのかもしれませんが、保護者向けに販売するおゆうぎ会のビデオに映えは関係ありません。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子