推しは心のオアシスであり、支えにもなってくれる存在ですよね。そんな推しに結婚報道が出て、そもそも自分と結婚できるわけでもないのに、凹んでしまった人もいるのではないでしょうか。今回はその推しにまつわる騒動に巻き込まれてしまった経験のある、筆者の知人Aさんから聞いたお話です。

ショックのあまり……

「ちょっと早いけど、Aさん休憩入っていいよー」
「ありがとうございます、休憩入りますね」
店長に休憩を促され、Aさんはバックヤードに入りました。
「トイレトイレ」
従業員用トイレに行くと、2つある個室のひとつが使用中になっていました。

「ねえAさん、〇〇さん(ママ友)知らない?」
トイレから休憩室に行ったAさんに、店長がキョロキョロしながら尋ねました。
「そろそろ休憩上がりなのに、全然戻ってこないんだよ」
「あ、もしかしたらトイレかもしれません」
「トイレかー、出てきたらすぐ売り場に戻ってって伝えてね」
「はーい 」
しかし待てど暮らせど、ママ友は戻ってきません。
「具合悪いのかな」
Aさんは使用中になったままのトイレの個室のドアをノックしました。
「大丈夫? 具合悪いの?」
中からはすすり泣くママ友の声が聞こえます。
「私、もう無理ぃ……アイドルが結婚するなんて」
どうやらママ友は推しの結婚がショックすぎて、トイレにこもって泣いているようでした。

「あらら」
その後、ママ友が売り場に戻ってこないうえに、2つしかない従業員用トイレを占領されていることに店長が怒り、「働かないなら帰って!」と帰らされてしまったそうです。

ショックな気持ちはわかりますが、仕事に持ち込むのはやめてほしいですね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子