配偶者がバツイチの場合、出かけた先で元嫁や元旦那と偶然顔を合わせるという事態が全くないとは限りません。でもできればあまり会いたくないという人が多いのではないでしょうか。今回はそんな配偶者の元嫁に、どういうわけか何回も会ってしまった経験のある筆者の知人、Nさんから聞いたお話です。
暴言を吐く元嫁に……
「私の旦那を返してよ! この泥棒猫!」
会うたびに元嫁がそう叫ぶので、Nさんはウンザリ。どうやら元嫁はNさんたちの新居をつき止めたらしく、休日のたびにどこかでNさんたちが出かけるのを見張っているようでした。
そして、とうとうNさんがひとりで外出しているスーパーや本屋、ホームセンターなどにも元嫁が現れるようになってしまったのです。
「ご近所さんに聞かれたら誤解されちゃいそう……」
Nさんは考えた結果、ある人物に相談をすることにしました。
「おい、泥棒猫! 早くうちの旦那と別れろ!」
ある日Nさんがスーパーに行くと、やはり元嫁が現れて暴言を吐いてきました。あまりに大声だったため、周りの人が何事かとNさんと元嫁の様子をチラチラ見ています。
「あんたもういい加減にしなさいよ! あんたが家のお金持ち逃げしたから別れたんでしょうが!」
ふいに元嫁の声を上回る大声が響きました。
「お、お義母さん!?」
元嫁の顔色が変わりました。そう、その大声の主は新居に遊びに来ていた旦那さんのお母さんだったのです。
元嫁と義母は折り合いが悪かったらしく、元嫁は慌てて逃げて行きました。
元嫁には未練があるのでしょうが、それからというもの、義母を恐れて元嫁がNさん夫婦の前に現れることはなくなったそうです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子