インターネットで部下の家を検索するモラハラ上司
これは以前、私が働いていた会社にいた男性課長の話です。その課長は、部下に対して「パワハラ」「モラハラ」とも言える言動を繰り返していました。
中でも酷かったのが、インターネットの地図サービスで部下の自宅や実家を特定し、その家の写真を見て批評することでした。
「お前の実家ボロいなー。貧乏人がうちの会社入れてよかったね」「お前いいマンション住んでるんだな。生意気だから残業増やしてやるよ」などと耳を疑うような暴言を吐く課長。
周りの人が「コンプライアンス違反になりますよ」とやんわり注意をしていましたが、全く聞く耳を持たないどころか「お前、俺に逆らうのか」と脅してくる始末。
私たち平社員は「こんなモラルのない人が、これからも上席としてのさばり続けるのか……?」と絶望する毎日でした。しかし、そんな日々に転機が訪れたのです。
中途入社の社員にもモラハラする上司。しかしその社員の正体は……
ある日、中途採用で20代後半の女性が入社しました。課長はいつものようにその女性の自宅をインターネットで検索。
そして彼女の家の外観写真を見て、「お金持ちの家なんだね! でもいつまでも実家に住んでいると、お嫁に行けなくなっちゃうよ!?」と笑いながら言い放ったのです。
あまりに酷い発言に凍りつく社員たちとは反対に、「ご心配ありがとうございます」とニッコリほほえむ女性社員。
「課長のモラハラ発言に物怖じしないなんて、メンタルの強い人なんだな」と思わず感心してしまいました。しかしその女性、ただの中途社員ではなかったのです。
その女性は、実は会社の重役の実の娘でした。その重役は課長の悪行を把握しており、実情を調べるために、ちょうど中途入社が決まった自分の娘を、その事業所に配属させたというわけです。
当然、課長の言動は大問題になり、課長は降格させられた上に、いわゆる「窓際族」に追いやられることになりました。
最後に
周りの社員が注意しているのにも関わらずハラスメント行為を改めないとは、救いようがないとしか言えませんね。コミュニケーションの一環とでも思っていたのかもしれませんが、コンプライアンスが重視される時代なので、私たちも言動には気をつけましょうね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N