筆者が保育士として働いていた頃、大学生の実習生を担当することに。中でもある時担当した実習生の一人、ゆい先生(仮名)のことは、今でも忘れられません。ジェネレーションギャップなのか、保育実習以前の問題行動に啞然とした話です。

子どもに対しては明るく元気で、楽しく遊んでくれる良い先生なのですが、保育実習で毎日書く実習日誌に、文字だけではなく絵文字や自分の気分を表す矢印などが多用されていたのです。

実習とはいえ大事な仕事。なぜ保育実習の日誌に絵文字を使うのか……? 読みやすいとか読みにくいとかの問題ではなく、最初に見たときには理解できず啞然としてしまいました。

日誌に目を通して返すときに、「友達への手紙ではないので、実習日誌に絵文字などは使わずに文字だけで書いてもらえますか?」と注意すると、ゆい先生は納得いかない様子ながらも「はぁ~い」と返事をしていました。

その後もいろいろありつつ、ようやく2週間の保育実習が終わる頃のことです。

実習日誌の反省欄に、「担当保育士からの注意が細かくて疲れる」と書いてありました。思わず「それはこちらのセリフです」と書きそうになるのをグッと抑えて、何とか大人の対応で2週間のゆい先生の保育実習は終わりを迎えたのでした。

これはジェネレーションギャップなのか、何なのか? こんなことから注意しないといけないの? と思うことばかりで、いつも以上に疲弊した2週間でした。

これまで何人も保育実習生を担当してきましたが、ゆい先生のことは今でも忘れられません。

その後、無事に保育士になって働いていると聞いたときには少しびっくりしましたが、持ち前の明るさで、子どもたちに愛されていることでしょう。同じように保育実習生を迎える立場になっているかと思いますが、先輩保育士としてアドバイスしている姿を想像すると、不思議な気持ちになります。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kumi.M