姉妹
私には2人の娘がいます。長女は幼いころからヤンチャで、私に反発することも多く、とにかく手がかかりました。それに比べて、次女は大人しい性格で突っかかってくることもなく、育てやすいいい子です。
そういった個性の差から、私は長女に頭を悩まされることが多い子育てを経験してきました。
次女と私
次女が高校に入学する年、長女は一人暮らしを始め、我が家は旦那と次女、そして私の3人暮らしになりました。
これまでとにかく手がかからず心配ごとも少ない次女でしたが、高校生になったこともあってか帰宅が遅くなる日が徐々に増えてきました。私は帰りの遅い次女が何をしているのか心配で、次女が出かける際には「何時に帰るの? 誰と出かけるの?」と予定を聞くようになったのです。
そんな生活を続けていたある日、次女は「お母さん、私はお姉ちゃんの代わりじゃないよ? いままで私の心配をしたことなんてないのに、お姉ちゃんが出て行ったからって突然干渉するのはやめて」と言いました。
私は、まさか次女が自分を「長女の代わり」と感じているなんて思いもしなかったので、大きなショックを受けました。
次女の気持ち
次女は幼少期から長女にばかり構う私を見て、「自分の話は聞いてもらえない」「お母さんはお姉ちゃんだけ大切なんだ」と感じていたそうです。
当時まったく知らなかったのですが、次女はいじめにあっていたこともあるそうで、1人で悩んでいたと聞かされました。次女からしてみれば、「お母さんはお姉ちゃんのことでいっぱいいっぱいだから話しても無駄」と思ったとのこと。
次女のことを育てやすいと感じていたのは、次女が一人でたくさんのことを耐えてきたからだったのです。私は親として猛省しました。
現在
次女の話を聞いてから、私は次女と向き合うため、さまざまなことを見つめ直しました。いつ話しかけられてもじっくり話を聞き、姉妹に優劣はないことを伝え続け、改めて愛情を注ぎ続けました。
ようやく次女の心はほぐれてきて、いまでは良好な関係性を築けています。
まとめ
親の目線で育てやすいとか手がかかるとか感じているのは、実は子どもの我慢のうえに成り立っているのかもしれません。
筆者もこのエピソードを聞いて、今後子どもを何人か授かることになったら、一人ひとりとしっかり向き合いたいと感じました。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A