迷惑な社内不倫
Tさんは当時、小さな食品会社で働いていました。
そんなTさんの目下の悩みは、同僚の女性社員が人事部長と不倫して、人目もはばからずに社内でイチャイチャしていること……!
「部長、お話したいことがあるのでお昼に時間をいただけませんか~?」
「よしわかった、じゃあTさん個室の和食屋を予約しておいてくれ」
「Tさんごめんね、予約お願いね!」
「は、はあ……」
人事部長の直属の部下であるTさんは、2人が昼休みに密会するための飲食店の予約をさせられることまで。
しかし人事部長は社内でもかなりの権限を握っていて、逆らった人は僻地に飛ばされるという噂もあり、誰も口を出せない状態だったのです。
こんな辞令ってアリ!?
そんなある日、突然の辞令が出されました。
それはなんと、不倫している同僚女性を主任に昇格させるというものだったのです。
「ウソでしょ……」
信じられない人事に、Tさんたちは驚きを隠せませんでした。
「明らかに不正な人事でしょ?!」
なぜならその同僚女性は、普段は勤務中におしゃべりをしたりお菓子を食べたりしてろくに仕事もせず、難しい仕事を任されれば人事部長に泣きついて他の社員に回していたからです。
「もう、許せない!」
人事部長の権限を笠に着て、以前よりさらにイチャイチャする2人に耐え切れなくなったTさんは、人事に不服を抱く同僚数人と結託したのです。
不倫を密告
Tさんと同僚数人は張り込みなどをして2人の密会現場を写真に撮り、人事部長の奥様に不倫を暴露する手紙を書いて投函したのでした。
「〇〇さん(同僚女性)って女性はどなた? うちの主人がと、て、も、お世話になっているようで!」
数日後、奥様は会社に乗り込んできました。
それが社長の耳に入り、さすがにもう見過ごせないと言われて2人とも左遷されたとのことです。
堂々と社内不倫をして、挙句の果てに職権乱用までしたバチが見事に当たりましたね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子