年金問題や物価高などの影響で、老後の生活に不安を感じる人も多いと思います。今回は、筆者が知人から聞いた、節約を意識しすぎた旦那のお話を紹介します。

節約に目覚めマイルールを家族に強いるようになった旦那

これは数年前に、私が定年退職したばかりの旦那と、大学生の息子2人と4人で暮らしていた時の話です。

これまで仕事一筋だった旦那は、60歳で定年退職をしてから、ずっと自宅にいるようになりました。

「年金は65歳からもらうつもりだから、これから節約して暮らさないとな」と言う彼の言葉に、「そうね、息子たちの学費もあるし、協力して頑張りましょうね!」と快く同意した私。

しかし、その節約は想像を絶するものだったのです。

節約に目覚めた旦那は、「肉は半額になったもの、野菜は見切り品以外は買うな」「シャンプーやボディソープは少しずつ詰め替えて、ギリギリまで水で薄めろ」など勝手に決めたルールを家族に強いるようになりました。

それによって、私や息子の生活も一変してしまったのです。

真夏に「エアコン禁止令」を出した結果、家族に次々と異変が……

旦那の節約のための要求はどんどんエスカレートしていきました。

そしてついには、夏場に「エアコンの冷房は一切つけるな。金がもったいない。つけるなら近所のショッピングモールに行って涼め。店が開いてないなら我慢しろ」とまで言い出したのです。

確かに、全国各地でクールシェアという取り組みも始まっていますが、家に居る時に無理やり我慢させられるのは苦しいもの。大学生の息子たちは「もう父さんにはついていけない」と言って友人宅に入り浸るようになり、家に帰ってこなくなりました。

そして私も暑さに耐えられず、週3だったパートを週5のフルタイムに増やし、なるべく家にいる時間を減らす羽目に。

しかし夜には行き場所がなく、どうしても暑くて眠れない時は、自分の車でエアコンをつけて寝ていました(ガソリン代は私のポケットマネーです)。

ある日、パートから帰るとぐったりした旦那の姿が。慌てて救急車を呼ぶと、熱中症と診断されました。

「節約のためにエアコンをつけなかった」と話す旦那に、お医者さんは呆れたように「節約より命の方が大事でしょう」とお説教。

これで反省したかと思いきや、状況はますます悪くなっていくのです……。