母親の過去を全て知っているという子どもは少ないでしょう。今の姿からは想像できない過去が、反抗期の娘に響くこともあるようです。これは筆者の友人・K美から聞いたお話。彼女が封印していた過去が救った思わぬ状況とは?

反抗期の娘

私の友人・K美は、中学生の娘の反抗期に頭を悩ませていました。
何を言っても「うるさい」「知らない」「うざい」など、全く会話にならず、自分の娘とはいえ接し方をどうしたらいいかわからない状況に追い込まれていました。

K美は専業主婦。
娘は専業主婦のK美のことをバカにしていて「男に食わせてもらってる情けない女」「仕事もしてないみっともない女」など、さんざん悪態をついていたのです。

万引き

そんなある日、K美の娘が万引きで補導され、K美は警察署から呼び出されました。
警察からの連絡に驚いたK美は、慌てて警察署に向かったそうです。

受付で用件を告げると、少年課の場所を教えられました。
K美は少年課へ向かい、部屋の中に入ると、そこには見覚えのある顔が……。
K美の娘と話をしていた警察官は、K美の中学時代の後輩だったのです。

過去

K美のことを見るなり、驚いたように急にぺこりと頭を下げた警察官。
不審に思ったK美の娘が、頭を下げた警察官に聞くと「きみのお母さんには、中学時代お世話になったんだ。助けてもらったんだよ。」と言ったのです。

そう、K美は昔とても喧嘩が強く、男性相手でもひるむことなく立ち向かう超武闘派でした。
そこにいた警察官は、他校の生徒からお金を巻き上げられそうになったとき、K美に助けられた後輩。
K美が結婚して名前が変わっていたので最初はわからなかったものの、顔を見てすぐに分かったとのこと。

「お久しぶりです。」とニコニコしながら話しかける警察官を、K美の娘は不思議そうに眺めていたそうです。