プロポーズされたものの……
「Rさん、僕と結婚してください」
交際が始まってから半年後、Rさんは男性からプロポーズされ、喜んで承諾しました。
「え、Rちゃんまだその人と付き合ってたんだ?」
Rさんが部署異動したため、最近あまり会えていなかったOさんに結婚を報告すると、まず最初に返ってきた言葉がこれでした。
「う、うん……ずっと付き合ってたよ」
「へえー、でも結婚はやめといた方がいいんじゃない? そんな条件いい人、絶対騙されてるって」
結局OさんはRさんに「おめでとう」とは言ってくれませんでした。
それからというもの、Rさんの元にはOさんにから「絶対騙されてるから、その人はやめた方がいい」「経歴詐称してるに決まってる」「〇〇大卒業の男性には変な人が多いから、結婚したら豹変するかも」などと、毎日数十通のLINEが送られてくるようになりました。
「Oちゃんの言う通りなのかな、私みたいな売れ残りアラサーにあんないい人が本気になってくれるわけないよね」
あまりに沢山のLINEが来るので、不安になったRさん。
しかし相手の男性はRさんのことをとても大事にしてくれますし、会社の同僚や大学の友人にも「婚約者」として紹介してくれています。
ご両親も素敵な人たちで、結婚を決めたと伝えるととても喜んでくれました。
「そんなの、Rちゃんの結婚を邪魔したいだけよ」
どうしたらいいかわからず、すでに会社を結婚退職している同僚に相談したところ、このような返事がきました。
「え、どうして?」
「自分だけ残されたくないからじゃない? Oちゃん、最近めっちゃお見合いとか婚活パーティーとか行ってるみたいだし。焦る気持ちは分かるけどさ、根拠もないのに友達の幸せを壊すような真似をしちゃうのは、ちょっとダメだよね」
「そうなんだ、全然知らなかった」
その後Rさんは会社を退職し、旦那さんの海外赴任が決まったため、結婚式を挙げてから海外へ旅立ちました。
結婚式にはかつての同僚を沢山招待しましたが、Oさんだけは最後まで「結婚しない方が良い」「絶対幸せになれない」と言い続け、出席してくれなかったそうです。
自分が結婚したくてもできないという焦りは分かりますが、人の幸せを壊そうとするのは確かに良くないことですよね。悔しい気持ちはわかりますが、仲が良かった人ならなおさら残念です。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子