成長したAちゃんが取った、驚きの行動とは?
うちの娘とAちゃんは同じ高校に通っていました。
娘いわく、Aちゃんは高校生になっても携帯電話を持たせてもらえず、友人と遊びに行くことも禁止されていたため、学校でも「親がとても厳しいらしい」と噂になっていたそうです。
大学受験の時期になると、Aちゃんの母親は「うちの子は〇〇大学(超難関大学)に行くために週5で家庭教師をつけているの」と近所の人に話していました。
しかし、Aちゃんの成績を知っている私の娘は「どう考えてもその大学に行けるような成績ではない」と言っていました。
「両親の望む大学に行けなかったら、Aちゃんはどうなるんだろう……」
心配する私でしたが、実際は、Aちゃんが大学受験をすることはありませんでした。
なぜなら受験の直前に、Aちゃんが失踪したからです。
Aちゃんはある日突然、家に帰らなくなり、学校にも登校しなくなりました。
しかし何故か、両親が取り乱していたこと以外は、あまり騒ぎにはなっていませんでした。
「子供が行方不明になっているのだから、地域でもっと大騒ぎになってもおかしくないのに」と不思議に思っていると、娘がこんなことを言い出したのです。
「Aちゃんは今、内緒で付き合っていた社会人の男の人と、隣の県で2人で暮らしているよ。あの家からどうしても逃げたかったみたい」と。
なんでそんなことを知っているのかと聞くと、娘はしれっと「みんな知っている。知らないのはあの子の両親だけだよ」と言いました。
後日、確かに近所の人からも同じ話を聞きました。その人から「あの子が隣の県にいるのは近所でも噂になっているけど、誰もあの両親にはそのことを言わないのよね。ずっとあの子がかわいそうだったから、こうなっても仕方ないよ」と言われて、異様な状況にもかかわらず、私も納得してしまいました。
ちなみに、Aちゃんが失踪してからもう20年が経ちますが、Aちゃんは一度も実家に戻ってきていないそうです。
最後に
この両親は子供のことを思って厳しくしていたのかもしれませんが、Aちゃんは逃げ出したいくらい家が辛かったということでしょうね。
子育ては思い通りにいかないことも多いですが、子供と心の距離が開いてしまう前に、お互いの思っていることを話し合えるような親子関係を築けるといいですね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Hinano.N