Lさんの息子さんは、小さな頃から少女アニメや可愛らしいアイテムを好むことが多い子供でした。そのためLさんには「もしかして?」という予感があったものの、「息子には自分の思うままに育ってほしい」と願っていました。一方で「男らしさ」が口癖の旦那さんは、息子さんの「告白」を受けて……?
夫の言う「男らしさ」の意味とは?
ただ、「男らしさ」をよく口にする夫のことは気掛かりでした。
先日も夫は息子に「そんなことも出来ないと男らしくなれないぞ~」と言っていたのです。息子の本心を知ったら、一体どんな反応をするのか不安でした。
しかし息子の大学の卒業前日に、その日が訪れたのです。
「俺......いや......私、明日本当は振袖が着たかった......」
勇気を振り絞って告白した息子。しかし夫は無言で席を立ってしまいました。
『やっぱり駄目だったか』と思い、私がしゅんとする息子を慰めようとしたその時、何かを手に戻ってきたのです。
そして「こんな時のために、お父さんなりに用意しておいた。明日の朝、行ってきなさい」と息子に持っていたものを手渡したのです。
それは貸衣装と着付けの引換券でした。
驚いている息子に「あまり深く考えずに、男らしくと口癖で言ってきて悪かったな。お父さんはお前を尊重するよ。正直な気持ちを話してくれたお前を誇りに思う」と勇気づけるように話す夫 ──。
翌朝、息子は美しい出で立ちで、胸を張って卒業式に参列することができました。これからも胸を張って自分らしく歩んでいって欲しいと願っています。
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※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Illustrator:藤島がらす
ftnコラムニスト:南さおり