自分としては親切で何かをしているつもりでも、相手にとってはそうではなかったということはしばしばあります。今回はママ友を助けてあげていたつもりが、実は相手にとってはただの迷惑行為であることがわかった経験のある私の知人Cさんから聞いた経験談です。

卒園の日に……

そんな日々を続けているうちに、CさんとAさんの子が卒園する日を迎えました。
「小学校は別々になるけど、たまには集まろうね」
Aさんの子は学区が違うため、Cさんを含むママ友たちはそう言って涙を浮かべ、別れを惜しんでいました。

「そうね、また集まろうね、と言いたいところだけど」
突然AさんはCさんの方を向いて言いました。
「Cさんとはもうこれっきりにしたいわ」
「ええ!?」
Cさんは驚きのあまり、手に持っていたハンカチを落としてしまいました。
「あのねえ、今まで子どもたちが仲良しだから我慢してたんだけど。そう何度も片付けに来られるの、正直言ってありがた迷惑だったのよ」
他のママ友たちはAさんから先に聞いていたのか、気まずそうな表情で黙り込みます。
「片付けだけならまだしも、子どもの工作捨てようとするし、お昼まで食べてずっと居座るし、ほんともう無理。そもそも、人の家に来といて『散らかってるね』なんて言う人いないわよ?」
「わ、私はただ良かれと思って……」
「それがありがた迷惑だって言ってるの! じゃあね!」
Aさんは他のママ友を引き連れて帰ってしまいました。

Cさんはひとり取り残され、その後幼稚園のママ友たちに連絡をしても一切返事が来なかったそうです。

人のためにやったことが裏目に出たのは残念ですが、ママ友との友情はなかなか繊細です。良かれと思ってしたことでしたが、自分の言動にも気を付けるべきでしたね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子