帰宅後、急いで検索
先輩からなぜかドン引きされてしまったAさんは、その理由が知りたくてたまりませんでした。帰宅後、Aさんは急いでネットで歓送迎会のマナーについて検索しました。
「宴会の席では入口から一番奥の席が上座とされていて、上司が座ることとなっている。ただ、歓送迎会では主役が上座に座ることが主流」
この日の歓迎会はAさんが主役でした。なので、Aさんが上座に座ることは間違いではありません。
しかし、新人が最初から上座にデーンと座るのはどうでしょうか? 先輩としては、上座に促されてから着席するのがマナーだと思ったのでしょう。
さらに、乾杯の際は上司より低い位置でグラスを合わせなければなりません。Aさんはそんなこととは全く知らず、思いっきり上の方でグラスを「チーン!」と鳴らしてしまったのでした。
先輩に目をつけられ一念発起
翌日、前日の自分の失敗に肩を落としながら出社したAさん。そんなAさんに試練が訪れます。飲み会で注意してきた先輩から「常識知らずの新人」と目をつけられてしまったのです。
「最初から上座で待ち構える新人なんている!? 最低限のビジネスマナーも勉強してこないなんて、大学で何を勉強してきたの?」
新人で知らないことも多いので、その場で教えてくれてもよかったのに、とも思いましたが、何かにつけてバカにしてくる先輩に、Aさんは我慢し続けるしかありませんでした。
「もうバカにされないように、同じ失敗は繰り返さない!」
Aさんは心に誓い、ビジネスマナーを学び秘書検定1級を取得しました。今では先輩からも認められる存在となり、社長秘書として働いています。
新人であれば失敗はつきものです。それをバネとして成長できるかどうかが、社会人として一目置かれるために大切なポイントとなるでしょう。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる