日本には古くから伝わる作法が数多くありますが、なかには現代の私たちには馴染みのないものもありますよね。しかし、今でもきちんとした作法を学び、実践している人もいるのです。
今回は友人C奈から聞いた、和食の作法にまつわるエピソードをお伝えします。

高級和食のマナーに緊張!

穏やかな食事会のなか、同僚のA子がC奈に向かって「ちょっとC奈ちゃん! なんでごはんをちょっと残してるの? お行儀悪〜い! 」と、みんなの前で大きな声で笑いながらバカにしてきたのです。

A子は自分の家が裕福なことをアピールして、いつもマウントを取りがたる人でした。
「私、こういうお店に家族でよく来るから慣れているのよ。C奈ちゃん、慣れてないとはいえ、マナーくらい守ってよね〜。あははっ」

勝ち誇ったように笑うA子……。
しかし、同席していた上司の一言でこの場が一転したのです──!

「おかわりをしたい時は、お茶碗の底に一口分のごはんを残しておくというのが、和食の正式な作法だぞ。C奈さんはよく知っているね。きっと親御さんがしっかりと教育されたんだね」

A子は、まさか自分の無知を晒すことになろうとは思ってもいなかったのでしょう。赤っ恥をかいたことをきっかけに、その後、会社でもおとなしくなったそうです。

知ったかぶりをして、人をバカにするような態度を取ったりすると、時にブーメランをくらうこともあるのですね……。それにしても、本当の育ちの良さは、何気ないこういったところで表れるのものなのかもしれません。

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※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Illustrator:fumo