親の在宅介護が必要になった場合、一家のお嫁さんが介護を担うことになるご家庭は多いのではないでしょうか。今回は献身的に義母の介護をしていたら、まさかの展開になってしまった私の知人、Eさんから聞いたお話です。

要介護の義母を引き取ったけれど……

Eさんは当時結婚17年目で、旦那さんと2人暮らし。子どもには恵まれませんでしたが、やりがいのある仕事に就いており、毎日忙しく暮らしていました。

そんなある日、実家でひとり暮らしをしていた義母が脳こうそくで倒れ、要介護の状態になったという知らせが入ってきたのです。

「母さんはうちで引き取って面倒を見る。すまないが仕事をやめて、介護に専念してくれ」
旦那さんにそう言われ、Eさんは大好きだった仕事をやめて、自分では体を動かすことのできない義母の介護をすることになったのでした。

「Eさん、呼んだら早く来てよ! 全く役に立たないんだから」
義母は自分でも体が思うように動かないことにいら立つのか、Eさんにあれをしろ、これをしろとわがまま放題。

Eさんは度々義母に呼び出されることになり、介護と家事の両立で慌ただしい毎日でした。

しかも旦那さんは自分の母親であるのにもかかわらず、仕事を言い訳に母親の世話を全部Eさんに押し付けます。
「ねえあなた、ちょっと手伝ってよ」
「何言ってるんだ、俺は毎日仕事をして疲れてるんだよ。介護はお前に任せただろ」
手伝いを頼んでも、旦那さんはそう言って一切手を出そうとしません。

家を追い出されて

そのうえ旦那はいつからか、「飯がまずい」「家の片付けができていない」とEさんに文句ばかり言うようになりました。

ただでさえ介護で忙しいEさんは睡眠時間を削り、へとへとの状態で食事を作り直したり、掃除をしたりしなければなりません。

しかしそんなEさんの努力も全く旦那さんには伝わりません。
「お前に母さんの世話は任せられない。出て行ってくれ」
ある日Eさんは旦那さんに離婚届を突きつけられたのでした。

Eさんは全く納得できませんでしたが、この日々から解放されるのなら、とわずかな慰謝料を受け取ってそのまま家を出ました。