新卒でお世話になった先輩社員は、とても頼もしく素敵にみえたりします。でも、信頼し過ぎるのもよくない場合も……? 今回は、地元の知り合いから聞いた、困った先輩の話をご紹介します。

マンションに行ってびっくり

普通の単身向けマンションだったんですが、玄関を開けてびっくり! シューズボックスの上にはよくわからないカードや水晶玉が飾られており、かなりきつめのお香の香りが充満していました。リビングに通され、大きな鏡の前に置いてある椅子に座らされると、手のひらに収まるくらいの小さな観葉植物を渡されました。

「これがあなたの悪いところやよくないことを吸収してくれるから、大切にしてね」

さらに、私の背後に回り込み、鏡に映った私のオーラ診断を始めました。私には全く見えませんでしたが先輩には見えているらしく、詳しく解説してくれましたが、だんだん怖くなりされるがままでした。

可愛がってくれていたのはこのためか……

話は次第に「この水晶玉を買えばあなたも……」とマルチ商法の勧誘の話になっていったのです。違う話にもっていこうとしましたが、「絶対損はさせないから! あなたのこと本当に可愛い後輩だと思ってるから誘ってるのよ! 一緒に幸せになろう」と先輩はグイグイきます。急用を思い出したと言って、なんとか逃げ帰ってきました。

私は本当に先輩に憧れていて、特別だと言われて嬉しかったんです。でも結局は、マルチ商法に勧誘するためだったのかと落ち込みました。儲けたいのではなく、本当に私のことを心配して言ってくれていたのかもしれませんが、もう会うことはないなと思ったのでした。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kato Rira