反抗期真っただ中の息子
中学生の息子を持つYちゃんが、ある日部活帰りの息子を駅まで迎えに行きました。
家にいてもどこにいてもいつもスマホばかり見ていて、こっちの話もろくに聞いていないし、何か話しかけようとしてもすぐに「うるさい」とか言われるし、息子はまさに反抗期真っただ中。
駅まで迎えに行ってもスマホを見たまま顔を上げることもなく、無言で車に乗り込んでくるのもいつものことです。
えっ!? あなた誰??
この日も変わらず同じ態度の息子に、ため息をつきつつ何を言っても煙たがられるので、特に声をかけることなくそのまま無言で車を走らせました。
しばらくして、赤信号で車が止まったときバックミラーをチラッと覗いたら、鏡越しに息子と目が合いましたが……「えっ!! 誰ーーー?」車の中に大声が響きわたりました。
なぜなら、車の後部座席に乗っていたのは自分の息子ではなく、全く知らない男子中学生だったからです。
そっちこそ誰!?
同時に見知らぬ男子中学生もぎょっとして「わー! びっくりした!!」と声をあげました。
振り返って確かめると、そこには背格好も服装も息子にそっくりですが、息子ではない男子中学生の姿がありました。
大慌ての男子中学生とYちゃんは、びっくりして急いで駅までの道を引き返しました。
その見知らぬ男子中学生も、同じように母親に駅まで迎えに来てもらっていて、夜で周囲もかなり暗く車も同じだったようで、乗る車を間違えたようです。
反抗期あるある??
駅に戻るとスマホを見ながらポツンと迎えを待つ息子の姿が見えました。
ばつの悪そうな見知らぬ男子中学生は、「すみませんでした。」と謝り車を降りて行きました。
今度は間違えず母親の車を探す後ろ姿を見送りながら、スマホばかり見て迎えに来た母の顔もろくに見ないで会話もない、反抗期息子はどこもみんな同じようなものなんだなと、クスッと笑えてきました。
しかし、早めに気づいて良かったですが、見知らぬ子が車に乗っていたら本当にびっくりしますね。噓みたいな有り得ない話ですが、反抗期あるあるなのでしょうか!?(笑)
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kumi.M