これは、私の友人が父の葬儀に来てくれることになった時の体験談です。
「あなたのお父さんにはお世話になったから、ありがとうって伝えたくて」そんな優しい友人の想いに涙がこぼれました。
亡くなった父は顔が広かったこともあり、ご列席くださった方々は取引先の社長さんや地元の有力者など、驚くべき肩書の方が多く、どの方も上品な喪服で来られていました。
そんな中、場違いな格好をした女性を見かけて……?

「普通の服でいいって言ったのに」と私が言うと、友人は小さな声で「いけるかなと思ったけどダメだったわ。これしかなかったんだもん」と自分でも笑っていました。
友人のおかげで落ち込んでいた気持ちが明るくなりました。今でも思い出すと笑ってしまうけど、ほんの少し心があったかくなる思い出となりました。

本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Illustrator:じんまなみ
ltnライター:鈴木まさ美