筆者の知人のAさん夫婦は、夕食をめぐっていつも小さなバトルを繰り広げていました。夫のB男は、食卓に並ぶ品数が少ないと必ず不機嫌になるのです。「主婦なんだから、ちゃんと料理しろよ」という言葉に、Aさんはプレッシャーを感じながらも、毎日せっせと多くの品数を用意していました。
その時、Aさんは
ここでAさんの作戦決行です! 夫の顔をじっと見て、こう言いました。
「あれ~? 焼きそばなんて子供じみたものは、夕食に食べないんじゃなかった? でも、 ここのは食べるんだね!」
「せっかく料理を作ったのに、食べてもらえないのは悲しいものよ。たとえ一品でも、心を込めて作ったご飯には『ありがとう』って気持ちが大事なんじゃないかしら」
母の言葉は、まるでAさんの心の代弁のようでした。Aさんは心の中で「ありがとう!」と叫び、スカッとした気持ちになりました。
その後、夫は実家での出来事を通じて、Aさんの気持ちや、自分の言動がどれだけ家族を傷つけていたかに気づいたようです。 それからは焼きそばはもちろん、どんな料理にも文句を言わなくなったそうです。
焼きそばは軽食のイメージという気持ちも分かりますが、忙しい中、せっかく用意したご飯に文句を言われると、困ってしまいますよね。
夫婦円満の秘訣は、相手の気持ちを想像し、互いに歩み寄ること。この「焼きそば事件」は、Aさん夫婦にとって、お互いを思いやる気持ちを再確認する良いきっかけになったのでした。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる