よく行くお店の店員さんに親切にされると、「またこのお店に来よう」と思いますよね。しかしその親切には裏があったとしたら、あなたはどうしますか?
今回は親切な店員さんの意外な正体を知ってしまった私の知人Oさんから聞いたお話です。
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よく行くスーパーの店員さん

Oさんは当時妊娠中で、かなりお腹が目立つようになっていたため、運動がてら歩いて近所のスーパーに行くのを習慣にしていました。

なるべく雨の日は避けるようにしていましたが、その日はあいにくOさんがスーパーから出ようとした頃に急に雨が降り出したのです。
「傘持ってないし、どうしよう……」
スーパーの軒下で空を見上げていると、ふいに背後から「どうされましたか?」と声をかけられました。

「傘お持ちでないなら、お貸ししますよ」
Oさんに声をかけてくれたのは、スーパーでレジを打っている店員さんでした。

Oさんより少し年上の女性で、Oさんが買い物に行く度にレジで顔を合わせるため、制服から私服に着替えていてもすぐにわかりました。
「いいんですか?」
「ええ、私もう1本持っているので、どうぞ。濡れて体を冷やしたりしたら、お腹の赤ちゃんに良くないですから」
店員さんはにっこりと笑い、Oさんに傘を渡してくれたのでした。

親しくなったけれど……

その出来事をきっかけに、Oさんはその店員さんと顔を合わせれば少し話をするなど、どんどん親しくなっていきました。
「産まれたら赤ちゃんの顔を見せに来てね」
「もちろん!」
店員さんはOさんが妊娠中ということもあるのかとても親切で、スーパーに行く度に体調を気遣ってくれます。

Oさんはその気持ちが嬉しく、毎日のようにスーパーに通っていました。

そんなある日、店員さんが可愛くラッピングされた小さな袋をOさんに渡してきました。
「私お菓子作りが趣味なの。いつも作りすぎちゃうから、良かったら」
「ありがとうございます!」
家に持ち帰って袋を開けてみると、それはアイシングクッキーでした。
「私小麦アレルギーなの、言えなかったな」
Oさんは自分では食べられないため、旦那さんが帰ってきてから食べて貰い、感想を聞こうと思っていました。

変な味のお菓子

「よく行くスーパーにすごく親切な店員さんがいて、今日クッキー貰ったの」
「へえー、どれどれ」
旦那さんは躊躇なくそのクッキーを口に入れました。
「なんだこれ!」
旦那さんはそう言って、口の中のクッキーを吐き出しました。
「え、どうしたの?」
「これ、なんか変な味する。苦いよ、ヤバいもの入ってそうな味」
「そんな……」
とりあえずそのクッキーは捨てることにしましたが、旦那さんは翌日スーパーにその店員さんはどんな人か見に行くと言い出しました。
「こんなもんくれる人、本当に親切な人かどうかわからないぞ」
「そうかなあ」
まだOさんは、店員さんが何かの分量を間違えただけだと思っていたのです。