女性の正体は
子どもを見てくれている実家の両親に電話をして、少しだけ遅くなると告げ、Cさんはその女性の後をついていきました。
女性は2匹の子犬を連れ、近くのマンションへと向かいます。するといきなり女性の前に、見覚えのある車が停まったのでした。
その車の運転手は窓を開けて女性と少し話したあと、マンションの駐車場へ車を移動させます。女性はご機嫌な様子で車に手を振り、マンションの中へ入っていきました。
「やっぱり……」
Cさんはその運転手の顔に見覚えがありました。それもそのはず、その運転手はCさんが今朝家から送り出した、Cさんの旦那さんだったのです。
Cさんは走ってその車を追い、ちょうど来客用駐車場に駐車したばかりの車の窓ガラスをバンバンと叩きました。
「ちょっとあなた! ここで何してんの!?」
車を降りようとしていた旦那さんは、いきなり妻が現れて驚いた顔を隠せません。
「お前、なんでここに」
旦那さんは真っ青な顔で車から降りてきました。
「あの犬の飼い主となんかあるんでしょ。おかしいと思ったのよ、まったく同じ名前なんて」
「そ、それはその……」
「正直に言わないと、もう2度と子どもには会えないと思って」
Cさんのセリフに、旦那さんはガックリと肩を落として白状しました。
犬の飼い主の女性は、旦那さんの不倫相手だったのです。Cさんが妊娠している時から帰りが遅かったのは、その女性と会っていたからだとのこと。
そしてCさんが何より許せなかったのは、子どもが産まれてからもその女性と会い続けていたことだけではありません。
一番腹が立ったのは、子犬の名前を子どもたちと同じ名前にして、まるでCさんとの家庭をそっくりそのまま再現しているつもりになっていたところです。
その後すぐCさんは女性の部屋に乗り込み、女性に旦那さんと別れることと、子犬たちの名前を変えることを要求しました。
女性はCさんの顔を知らなかったようで、さっき公園で会ったばかりの人が自分の不倫相手の妻だと知って驚いていたそうです。
それからというもの、旦那さんは早く帰ってくるようになり、双子の育児に積極的に参加するようになったとのこと。
一体どんなきっかけで不倫がバレるかわかりませんね。当然のことですが、不倫はしないに越したことはありません。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:齋藤緑子