保険はいざという時のためにかけておくものですから、何かあったときに保険金を受け取るのは当然のこと。しかしその保険金を狙い、たかってくる輩もいるようで……。今回は保険金を意外な人にたかられた経験のある私の知人、Yさんに聞いたお話です。

まさかの発言

「Yさん退院おめでとう!」
退院日、仕事で来られない旦那さんの代わりに親しいママ友たちが数人で、Yさんの子を連れて迎えに来てくれました。
「皆さんにはお世話になりました」
Yさんは病院のロビーで皆に深く頭を下げました。
「いいのいいの! で、今回の事故って保険金どれくらい?」
ふいに誰かがそう言い出したので、Yさんは驚いて顔を上げました。

「Fさん……」
そこには呼んだはずのないFさんがニコニコと立っていたのです。
「ちょっと、こんな時に何なの?」
他のママ友が制止しますが、Fさんは止まりません。
「毎日来てあげたんだから、保険金からちょっとお金くれてもいいよね」
「はあ!?」
その場にいる全員が凍り付きました。

「何言ってんのあんた!!!」
「非常識すぎるわよ!」
「来たってお菓子ぼりぼり食べてただけじゃん!」
他のママ友たちが口々にFさんを責めたので、Fさんはだんだん小さくなってしまいました。

「保険金いっぱいもらえるならいいじゃんって思って」
一銭も貰えないとわかったのか、Fさんは慌ててその場から去っていきました。

Yさんはその後ママ友にはお礼をしましたが、Fさんとはもう関わらないようにしたそうです。

他人の保険金を目当てに、親切そうにする人には気をつけなければいけませんね。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子