保険はいざという時のためにかけておくものですから、何かあったときに保険金を受け取るのは当然のこと。しかしその保険金を狙い、たかってくる輩もいるようで……。今回は保険金を意外な人にたかられた経験のある私の知人、Yさんに聞いたお話です。
事故で入院
Yさんは車を運転している最中に、わき見運転の車に追突されて怪我を負ってしまいました。幸い命に別条はないものの、2週間ほど入院することに。
「大変だったわね……娘ちゃんのことは私たちに任せて!」
Yさんの子どもと同じ幼稚園のママ友たちがお見舞いに来て、Yさんの子どもは旦那さんが仕事から帰るまで交代で面倒を見ると言ってくれました。
「ありがとう」
Yさんはふと、お見舞いにきてくれたママ友たちの中に、あまり話したことのないママ友のFさんがいることに気付きました。
「ねえ、今日Fさん来てくれてたけどどうして?」
ママ友たちが帰ったあと、Yさんは親しいママ友にLINEを送ってみました。
「それがね、Yさんのお見舞いに行こうってみんなで話してたら、ついてきちゃったのよ。大勢になってごめんね」
「いえいえ、来てくれてありがとう……」
実はFさんはお金に細かい、というかセコイことで幼稚園でも有名な人だったので、Yさんの疑問は募るばかりでした。
毎日来るママ友
それからというもの、Fさんは毎日Yさんの病室に現れました。
「お見舞いに来たよー!」
「あ、ありがとう……」
お見舞いに来たとは言いつつ、Fさんは特に何かするわけではなく、ぼーっと椅子に座っているだけ。さほど親しくもないので会話も弾みません。
「あ、これ美味しいね。子どもの分も持って帰るわ」
Fさんは他のママ友が持ってきてくれたお菓子をぼりぼりと食べ、毎回「子どもの分も」と言って自分のバッグに詰めて帰るのでした。
YさんとFさんは子ども同士もあまり仲良くしている訳ではないので、どうして来てくれるのか全くもってわからないまま、Yさんの退院日を迎えました。