電車の中で、お年寄りや身体の不自由な人がいれば進んで席を譲るという人も多いのではないでしょうか。しかしいきなり高圧的に席を譲れと言われると、納得できないこともあります。今回は私が経験した電車の座席トラブルのお話です。

帰宅ラッシュの中で

当時私は電車で1時間ほどのところにある会社に通勤していて、その日はバタバタと忙しく、クタクタに疲れていました。

ちょうど始発の駅だったため、私は電車を1本見送ってやっと2人掛けの席に座ることができました。
「ふう…… 疲れた」
私は少しうとうとしながら、電車に揺られていました。

電車は某テーマパークからの乗り換えをする乗客が多い駅に停まり、私の隣りに座っていた女性はその駅で降りて行きました。

電車は満員だったので、すぐに誰かが座るだろうと私はぼんやりと思っていました。

突然起こされて

「あのー、ちょっと、すみません! 」
いきなり大声で話しかけられると同時に、肩を揺さぶられて私は目を覚ましました。
「な、なんですか…… ?」
眠い目を無理矢理こじ開けると、そこにはテーマパークの袋を持った高校生くらいの女の子と、その母親らしき女性が立っていました。

「ここ空いてますよね」
母親の方が私の隣りの席を指さします。
「はあ…… 」
座りたければ座ればいいのに、と思っていると、まさかの発言が母親の口から飛び出したのです。